犠牲者と遺族と向き合った男の回顧録 書評59『墜落遺体 御巣鷹山の日航機123便』飯塚訓

書評

8月12日で、日航機墜落事故から35年とニュースになっていたので買ってみました。
犠牲者の身元を調べる任務に就いていた警察官が著者です。

事故当時の現場の凄惨さがありありと描かれています。
遺族、日航社員、現場対応の警察官や医師、どの視点から見てもすべて
極限状態でのやり取りです。

怒号や対立の描写が続きます。その中でも誠心誠意向き合う著者の対応が遺族に伝わり、
心が繋がる描写もあります。でも、遺族の悲しみは、関係者の苦悩の日々は消すことができません。

人々の生活に根ざしたインフラ企業が「安全第一」なのは勿論ですが、
それでも事故をゼロにすることは不可能なことも事実です。
昨今は突発的な自然災害も目に見えて増え、天災をきっかけとした二次災害も増加が懸念されます。

「二度と起こしてはならない」けれども、「二度と起こらない」かは誰にも予期できません。
今を生きている我々がすべきは、このような凄惨な事故の恐ろしさを知り、未来の世代に
伝えていくことだと思います。

著者が執筆にあたり望まれていたように、何年経っても風化させてはいけない事故なのだと
再認識しました。

3.5

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