探究心のロマンが詰まってます 書評58『バッタを倒しにアフリカへ』前野ウルド浩太郎

書評

世の中には、自分とは全く違う生き方をしてる人がいるなあと。
ビジネス本では出会えない世界がこの本の中に広がってました。


バッタに対するフィールドワークを求めて単身アフリカ北西部・
モーリタニアへ向かう著者の奮闘を描くノンフィクションです。

アフリカでは穀物収穫の時期に合わせて、バッタが大発生。
本書文中では「500Kmもの大群が襲来することもある」と記載がありますが、
コロナの影響で駆除が追いつかず、食料不足に悩む地域が出てきてしまっているようです。

参考:バッタ大発生で食料不足 アフリカ・アジア4200万人危機 穀物輸入に影響も
(日本農業新聞) https://www.agrinews.co.jp/p51446.html


将来の地位も確立されていない、明日を生き抜く収入すらままならない状態で、
それでもこのバッタ問題を解決できるのは、世界で自分しかいないと信念を持って
現場探索に勤しむ著者の姿に魅了されます。


日本では全くニッチな「バッタ」というジャンルで、ここまで喜怒哀楽を詰め込んで
読者の心を揺さぶってくれる本ってなかなか無いと思います


日本ではパソコンの前で座っている研究者は沢山いるものの、
著者のように現場の最前線でフィールドワークを行える例は少ないようです。
毎日無数の研究対象に囲まれて、無数の気付きを得ることができる
現場活動の重要さ
は、民間企業勤めの自分も痛感しています。
本書の内容も著者の原体験のリアルな描写だからこそ、読む人の心に響きます。


ブログ調の文体でスラスラ読み進められますし、
節々にクスッと笑わせてくれる描写もあります。
でも著者のバッタにかける思いが本物だと伝わるからこそ、
ラストのバッタ大群との対峙は、感涙の念すら覚えます。


自分の理想を突き詰めていく人は、最終的には納得する人生を
送ることができるんだろうと思いました。
型にはまった日々を脱出させてくれるような一冊です。とってもオススメです。

4.0

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