泥まみれのビットバレー。インターネット黎明の時代を生き抜いた戦士の激闘 書評41『渋谷ではたらく社長の告白』

書評

サイバーエージェント創業者・藤田晋氏の自叙伝。
初版発行は2005年。インターネット黎明期の1990年代後半から、
ITバブル崩壊の2000年初頭にかけての激動の日々が本書の舞台です。


この年代の主人公たちの著書はいくつか読んできました。
堀江貴文氏の『我が闘争』、村上世彰氏の『生涯投資家』など、
各々の書籍で凄まじいまでのインターネットバブルの勢いを感じることができます。


本書はその中でも、「生々しさNo.1」の作品です。
知識ゼロの状態からのインターネット事業への参入、
バブルに後押しされた独立系企業最年少での上場、
バブル崩壊後の苦悩、まるで自分が当事者であるかのような没入感で
著者の波乱万丈人生を辿ることが出来ます。



特に2001年以後、バブル崩壊・株価急落後の著者の苦しみは
読んでいて胃がキリキリと痛む思いです。
株主にバッシングされ、メディアに叩かれ、同業企業による買収の
危機に晒され、自信も信念も揺らぐ状況で、それでも何とかして
会社を上昇させていかなければならないという使命感。
心が折れながらも鬼気迫る思いで試行錯誤を繰り返す著者の心境を慮ると、
「なんという修羅場をくぐり抜けてきた方なんだ」と恐ろしささえ
覚えるほどです。



本書はただの自叙伝ではなく、日々逆境の中戦うビジネスパーソンの
バイブルになる一冊です。

1990年代後半から2000年代前半にかけての世界の激動と、
インターネット黎明の時代を生きた立役者たちの奮闘劇は、
学ぶべき教訓が本当に沢山あります。

「21世紀を代表する会社をつくる」男の熱量にはとても、
とても感銘を受けました。


本書も辛くなったとき、読み返したい本リストに加えたい一冊です。

3.9

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