書評22『言い訳 関東芸人はなぜM-1で勝てないのか』塙宣之

書評

凄い本に出会ってしまいました。
お笑い芸人・ナイツ塙さんのM-1に対する持論をまとめた一冊です。


M-1参加者として、そして審査員として、漫才に生涯を賭ける一芸人の
熱量が伝わってきます。
そしてそれを、お笑い素人の読者にもわかりやすく、
かつ熱意を残したままでここまで具体的に言語化出来た本は、
史上初なのでは無いでしょうか。



主題は「吉本興業が開催するM-1グランプリで、外様の関東芸人が苦戦する理由」
にフィーチャーされてますが、上方漫才と関東漫才の違い、
各コンビ別の強み、この芸人はここが足りない、こうすればもっと良くなる etc.
塙さんが自分の目でみたお笑いに対する論評がこれでもかと緻密に
散りばめられています。

M-1を題材にしているので過去大会から追っていないと共感は得にくい
のですが、M-1ファンは過去のプレイバックを体系化して振り返ることの
できる必読の一冊です。


それにしても、好きなことを語るってこんなにも人に伝わるんだ
ということをひしひしと感じました。
著者は文中にも「練習しまくってガチガチに台詞を固めた漫才はウケない。
自分の興味があることを、自分の言葉に載せて語ったほうがお客さんの反応も良い」
といったことを綴っていますが、本書全体を通してその通りだと感じました。


漫才に人生を捧げた男の、漫才頂上決戦に対する悲哀、恐怖、感謝。
様々な感情がほとばしる珠玉の一冊です。
情熱ってこんなにも他人の心を揺さぶれるんですね。


このブログ書いてる今も読後感で泣きそうです。
お笑い好きの方はぜひ読んでください。

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