書評19『スマホ廃人』石川結貴

書評

タイトルを見れば何について書かれているか
パッと思いついてしまうほどに、
現代人はスマホと持ちつ持たれつの生活をしていますよね。

最近はKindleが代役を果たしてくれてますが、私もどこへ行くにも
スマホが手離せない、という状況に陥りがちでした。


本書はスマホ依存に陥った人々の転落人生が描写されている一冊です。
文体も簡単でサラッと読めますが、読んで良かったです。
なぜなら本書を読むとスマホを触ることが怖くなるからです。


特にスマホ依存の弊害についてありありと描かれているのは、
学生層でしょうか。

例えば、昨今の学生はクラスの「ランク」別にLINEグループを
作成するようです。
学生は下位のグループに転落しないため、
自らの地位を守るために周囲の顔色を窺いながら生活します。
ひとたび失態を犯すと、クラス全体から袋叩きに遭い、
イジメや不登校を助長するようになります。

スマホによるイジメは直接的なものではありませんが、
加害者は気軽で大衆を巻き込んで実行に移せるため、
被害者のショックも大きくなる可能性を秘めています。


主婦層もスマホ依存の影響が大きいようです。
スキマ時間に始めたスマホを用いた副業にのめり込み、
いつ何時もスマホが話せなくなる主婦が増えているようです。

スマホを触りながら育児をしていると、乳児は親の愛情を
感受することができません。
愛情を注がれていないと認識して育った子供は、
心の中にどこかビハインドを抱えたまま学生生活を送る
ことになります。


またスマホを用いた性被害も増えているようです。
SNSを通じてお金や名声欲しさに不特定多数の大人と繋がり、
猥褻な写真を送ることを強要される女子生徒がいます。
彼女たちは誰とでも簡単に繋がれる「SNS慣れ」に”慣れすぎて”
しまい、その先の危険が見えなくなってしまっています。


私たちはその高い携帯性からついつい「暇つぶし」に
スマホを弄ってしまいがちです。
しかし、暇つぶしに開いたスマホから何らかの刺激的情報を
得ることによって、脳内のドーパミン神経系は活発化します。
ここで得た快楽の記憶を「再び体験したい」と思い、
いつしか「暇つぶし」が「習慣」に変わってしまいます。



ただ上記の内容を頭に刻んでおくことで、
意識的にスマホから離れよう、触る時間を制限しよう
と思うようになれます。
このメカニズムを知っているか否かで
スマホに限らず何かへの依存のリスクはかなり低減できるはずです。


内容自体は非常に噛み砕いて記載されており
2時間程度で読破できます。
しかしながらスマホ依存の恐怖とメカニズムを知り、
自分とその周囲の人々を「廃人化」から守る術を学ぶという意味で
非常にコストパフォーマンスの高い一冊と言えます。
現代人ならば読んでおいて損は無いです。

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