書評13『もっと言ってはいけない』橘玲

書評

2017年新書大賞『言ってはいけない』の続編。
前作同様に人々が語りたがらない不愉快な真実に焦点を当てつつ、
「人種と知能の相関」「国別の知能指数比較」と、前作よりもより
スケールアップした内容が綴られている印象です。

著者は現代の遺伝学の知見から「知能は遺伝する」「どんなに努力しても
どうしようもないことがある」
と述べています。

一方で、「社会は平均的知能を持つ”マジョリティ”が恩恵を受けるようにできている」
「知能が高い=幸福、という訳ではない
」とも説いています。

生まれ持った根本の能力は変えられない。しかし一部の能力が高い人間も
孤独を感じて不幸になり得る…。前作含め人種問題・性別問題・格差問題と様々な問題が議論されてきましたが、最も考えるべき本質はここだと感じました。
つまり、私たちは生まれ持った能力をいかに発揮して、いかに幸せな人生を送るかということです。

自分で言うのもアレですが、私は平日一生懸命に仕事し、休日も少しでもスキルアップできないかと資格取得に取り組み、新書や新聞を読み漁り、自分が持っていない教養を身に着けようと躍起になって過ごしています。

日々張り詰めた状態で生きているので、少しの失敗で緊張の糸が切れてしまうことがあります。たぶん思考回路が真面目で変に責任感の強い「ザ・日本人」的なのでしょう。

社会的に何か結果を出せた訳ではないのですが、私の頑張りを見て評価してくれる、
認めてくれる方々は周囲に沢山いらっしゃいます。ありがたいことです。
他人に褒められると嬉しいし、もっと頑張ろうと単純に思い込んでしまいます。

最近よく思うのが、「何のために頑張るのかが明確になっていない」ということです。
出世したいからなのか、独力でお金を稼ぎたいからなのか、それとも第三者に認められたいからなのか。
ゴールを設定して歩まなければ、長い旅路の途中で挫けてしまう気がします。

大切なのは能力の欠如を憂うことではなく、自分のゴールをどこに設定するか。
今の自分が何を”幸せ”と感じるかを明確にしながら生きていくことだろうなあと、
本書を読んでそんなことを思いました。
本書で示されている「残酷な真実」の中にも、幸福は探せばあると思います。

あとは、それを探すかどうかだけだと思います。

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