企業統治に人生を賭けた男の生き様を刮目せよ! 書評34『生涯投資家』村上世彰

書評

「お金儲けは、悪いことですか?」

村上ファンドの創始者、”モノ言う株主”として
企業から恐れられた敏腕投資家、村上世彰の自叙伝。

ニッポン放送株取得を巡るインサイダー取引が報じられた
2006年には、毎日のように著者(と堀江貴文氏)の顔を見ていました。
その時に抱いた「拝金主義」のイメージが未だに頭から離れず
投資家に対して悪い印象を持ったまま今日まで生きてきました。

しかしながら、本書は著者のイメージを一変させる一冊です。
投資家・村上世彰が何を思い、何を目指し、何を志して
投資活動を行うのか。プロフェッショナルの信念を垣間見ることできます。

著者が投資活動を通じて目指したのは「コーポレート・ガバナンスの浸透と徹底」
日本企業は海外の会社と比較して内部留保を溜め込み
資産を投資や株主への還元に回さない傾向が強く、
ROEも他の新興国より低いです。

企業の最たる目的は株主の利益最大化です。
その目的をないがしろにし会社を我が物のように扱う経営者や、
企業をより良い方向に導こうとしない「モノ言わない株主」の存在が
日本では目立ちます。

著者は自身の投資活動を通して、そんな日本経済の保守的体制を
抜本的に変革しようとしました。
経営者と投資家が企業の成長という同一の目標に向かい切磋琢磨し、
資金が絶えず循環する健全な経済の仕組みを作り上げようとしました。

著者はその聡明さゆえに、世間からは「金の亡者」のように扱われ
投資の度にバッシングを受けるようになります。
天才を羨む一般人、さらにメディアの情報操作によって
生まれるバッシングに対峙しながらも、自らの夢に向かって挑戦を続ける。
「我が闘争」で描かれていた堀江氏の姿と重なります。


そして彼らのような”アクティビスト”は、批判に臆せず夢を実現させていきます。
それは彼らが持つ夢が確固たるものであるから。
信念を持って夢を追いかける人には、アンチの数以上に応援してくれる人も付いてきます。


抱いた疑問を極限まで突き詰めたい、という飽くなき探究心を
そのまま反映させたような人生を感じ取ることが出来ました。
これぞプロフェッショナル。
私はここまで人生におけるビジョンが描けていませんし、
ゴールに対する目標設定もまだまだ甘々です。

ただ余談ですが、最近は多くの人と夢や目標ついて
話す機会が増えてきました。
私と同じように、いやそれ以上に、野望を持ってゴールを追いかけて
日々邁進し続ける人が、著者のような著名人じゃなくても身近に
たくさんいるんだ、ということが肌感覚でわかってきました。
なんだか嬉しくて心が踊っています(笑)

本書は投資家として必要な気概を知ることができるという意味でも良書ですが、
「生涯投資家」と自負する男のプロフェッショナル思考を学ぶことができてとてもためになります。

企業投資に生涯を賭けた男の生き様を是非感じてほしいです。
圧倒的にオススメの一冊に加わりました。







4.0

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