久し振りの勧善懲悪作品に興奮しました 書評47『Winny 天才プログラマー金子勇との7年半』壇 俊光

書評

木曜日の朝日新聞に著者の紹介がされていました。
興味をそそられるタイトル&キンセリ対象だったので購入。


天才プログラマー金子勇氏が本書の主人公です。
幼少期からプログラミングが大好きで、独力で「Winnyネットワーク」を開発。
現代のLINEやSkype、ビットコイン等に使われているP2Pの先駆者、
GAFA等の米国企業に先駆けてネットワーク通信技術を開拓する
パイオニアとなる人物…となるハズでした。


しかし2003年、Winnyネットワーク上でメディアコンテンツを公開した人物が
逮捕された事件を受け、「著作権法違反幇助」の容疑で京都府警に逮捕・起訴されてしまいます。
本書は無罪判決が確定するまでの間、金子氏と著者が検察官・裁判官と繰り広げた
7年半の戦いを描いたノンフィクション小説です。


天才プログラマーの抱く飽くなき探究心と、若き有望な芽を潰させないという
著者の正義心が全面に溢れた少年漫画的展開には心を揺さぶられます。


ですが、本書を読んだ一番の感想は「司法って怖い」ってことです。
ホシを挙げるために、自らの保身のために、正義の番人であるはずの検察官が、
そして裁判官が、証拠も掴まないまま嫌疑をかける。
こんなことがノンフィクションの世界でも起こってるんだという驚きが大きかったです。


ベンチャービジネスに圧力をかける権力に憤慨しつつも、
悪に立ち向かう弁護士団の奮闘劇を手に汗握りながら体験できる。
最近小説読んで無かったですが、久し振りに少年ジャンプばりの疾走感が味わえました。

3.5



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